家族政策と少子化対策

戦略史概論 | 記事URL


日本は超少子化国の代表的な国であるといえます。日本で「少子化対策」が始まったのは1990年です。1990年代以前は、政府は少子化に対して対策を実施せず、1990年の1.57ショック以来、少子化対策が実施されるようになったわけです。


少子化対策という語にはあいまいさがあり、その代わりに「家族政策」という言葉を使ったほうがいいでしょう。一般的に海外では「家族政策」という語がが使われています。家族政策は、「子どもを持つ家族の福祉向上を目的とする、広い意味での社会政策の一部分」を意味しています。


人口政策としての「出生促進政策」は、「出生率の向上を目指す政策」と定義できます。日本で使われる「少子化対策」は家族政策と出生促進政策のどちらなのか曖味なわけです。家族政策を人口政策的意図との関係で三つに分けると、
❶出生率の向上を明示的、直接的に狙った家族政策、
❷出生率の向上に問接的に影響を与えることを狙った家族政策、
❸出生率の向上の意図を持たない家族政策、と分けることができます。


少子化対策は一体その中のどれに当たるのでしょうか。1990年から2005年までの中で、その意味合いを少しずつ変えてきています。出発点は、出生率向上の潜在的意図を持った家族政策でした。2000年代に入り、はっきり出生率向上という明示的な意図を持った家族政策に変わってきました。



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